どうも、インディーゲームの深淵から掘り出し物の名作をディグるブログ、『インディーディグラー』へようこそ。
BITA70です。
今回、Steamの海の底から引っ張り上げてきたのは、とんでもない劇薬だ。
現在Steamのインディーファンの間で狂ったように話題を集めているタイトルがある。
それが、アクロバティック電車アクションゲーム『電車アタック(Denshattack!)』だ。

誰もが一度は思ったことがあるはずだ。
「電車でスケボーみたいに大ジャンプして、キックフリップをキメたら絶対に気持ちいい」と。……いや、常人ならそんな狂ったことは考えない。
だが、インディーゲームの世界ではそれが現実になる。
本作を一言で表すなら、「ハイスピードな爆走」と「脳汁ドバドバの空中トリック」が融合した、とんでもないハイクオリティ・バカゲーだ。
「どうせ出落ちの出オチ一発ネタでしょ?」と侮ることなかれ。
実際に体験版のコントローラーを握ってみた筆者は、気づけば時間を忘れてコンボを繋ぐ修羅と化していた。
今回は、そんな本作が放つ唯一無二の狂気と魅力について、ファーストインプレッションを熱く語っていこう。
そもそも『電車アタック(Denshattack!)』ってどんなゲーム?
まずは本作の概要をサクッと整理しておこう。開発を手掛けるのは、これまでもエッジの効いたインディーゲームを世に送り出してきた「Undercoders」。
本作の舞台は、環境汚染によってすべての生活インフラが地下に潜った、ディストピアな未来の日本。
そこでは邪悪な巨大企業「未来道」が支配する、狂った高速電車網が張り巡らされている。
プレイヤーは反逆のはみ出し者たち(主人公の「エミ」など)を操作し、日本一速い伝説の“電車アタッカー”を目指してレールの上を爆走することになる。

……と、それっぽいストーリーを紹介したが、やることは至ってシンプル。
「特急電車をハイスピードで転がし、線路を飛び出して空中を回転し、ド派手なトリックをキメまくる」、ただそれだけだ。
基本操作は以下の4つに集約されている。
- 警笛(ホーン): レール上の障害物や、未来道の治安維持車両を吹き飛ばす
- ドリフト: 急なカーブを火花を散らしながら曲がり切る
- ジャンプ: レールの切れ目やジャンプ台から大空へ飛び立つ
- レーン移動: 隣のレールへ瞬時に車線を変更する
「電車×スケートボードカルチャー」という、文字にするだけでも頭が痛くなりそうなカオスすぎる融合。
しかし、この一見すると一発ネタのバカゲーに見える設定の裏に、恐ろしいほどの技術と情熱が注ぎ込まれているのが、本作の真の恐ろしさなのだ。
実際に遊んでわかった本作の「3大脳汁ポイント」
ここからは、筆者がコントローラーを握り、実際にレールを爆走して脳汁を垂れ流すことになった本作の圧倒的な魅力について語っていこう。一発ネタのバカゲーという皮を被った、恐るべきハイクオリティがそこにはあった。
① 『ソニック』を彷彿とさせる圧倒的なハイスピード感!
本作のアクセルを踏み込んだ瞬間、筆者の脳裏をよぎったのはあの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズだ。
特急電車が、誇張された日本(いい意味で)のステージの空中やレールを音速で突き抜けていくスピード感は、それだけでアドレナリンが破裂する。
美麗かつ滑らかに動くアメコミチックなビジュアルも相まって、画面の向こう側の景色が凄まじい速度で後ろへとぶっ飛んでいく快感は、近年のアクションゲームの中でもトップクラスだ。
② 右スティックをグリグリするだけ!誰でも即「脳汁トリック」の達人に
本作の一番イカれている、そして一番天才的な部分がアクロバットシステムだ。
名作スケボーゲーム『Skate.』シリーズのように、電車が空中に高く飛び上がった瞬間に右スティックを動かすことで、その方向に応じたトリックが発動する。
……と書くと難しそうに聞こえるが、ぶっちゃけ「高く飛んだら右スティックを適当にグルグル回しまくる」だけで、電車がキックフリップや大回転をキメまくり、お手軽に超絶コンボが繋がっていく。
画面には落下の「ひゅーー!」、着地の「どん!」、フリップの「ぶぉん!」といった効果音がアメコミ風のポップな文字エフェクトとして次々に飛び出し、プレイヤーの脳の報酬系をこれでもかと刺激してくる。
この「適当にやってるだけなのに、俺めちゃくちゃカッコいいトリックキメてない!?」という全肯定の気持ちよさは完全に中毒モノだ。
③ 「考えたやつ逆に天才か!?」と言わざるを得ないド級のハイクオリティおバカ
電車が壁を走り、大空を飛び、火花を散らしてドリフトする。これだけでもお腹いっぱいなのだが、本作の狂気はこんなものでは終わらない。
「なぜか電車が観覧車にトランスフォームして、周囲の障害物を粉砕しながら海を渡る」という、文字通り意味不明な超展開が待ち受けていた。

さらに、この弩級のおバカはとどまること知らない。
船に乗り、巨大野球ボールを跳ね返し、時には巨大ロボと戦い日本全国で大暴れするのだ。
これは「ぶっ飛んでやがる」としか言いようがない。
『トニー・ホーク』や『JSR』の遺伝子を感じる、平成レトロなストリートカルチャー感
本作『電車アタック』の狂ったスピード感とトリックに酔いしれている最中、筆者の脳裏にはある「懐かしさ」がずっと漂っていた。
それは、1990年代後半から2000年代初頭にかけて世界中を熱狂させた、平成のストリートカルチャー系ゲームの黄金期の空気感だ。
具体名を挙げるなら、スケボーゲームの金字塔である『トニー・ホーク プロスケーター』シリーズや、架空のトーキョーをインラインスケートで駆け巡るセガの名作『ジェットセットラジオ(JSR)』。
さらに言えば、タクシーで街中をハチャメチャに爆走する『クレイジータクシー』のあの系譜である。
本作には、これら名作たちの遺伝子がこれでもかと組み込まれている。

1. ラジカセから流れるような、BGM
ゲームを起動した瞬間から耳をジャックしてくる、ファンク、パンクロック、ミクスチャー・ロック、ヒップホップが絶妙にブレンドされたハイテンションなBGM。
これは完全に『JSR』や『クレイジータクシー』が持っていた、あの「音楽を聴いているだけで最高になれる」クラブ・ストリートミュージックのノリそのものだ。
しかも、カッコいいだけじゃない、さすがおバカゲー『電車アタック』。
変な曲も沢山収録されているのだ。
ここでいう変な曲だが、その変さ加減を伝えようと筆者が考えて思い浮かんだのが「塊魂」のBGMである。
あのナゾに頭に残る変な曲たちを彷彿とさせる楽曲が電車アタックにも存在している。
BGMまでおバカを入れてくるとは、恐れ入った。
2. スコアを繋ぐ楽しさは完全に『トニー・ホーク』
空中でトリックを決めるだけでなく、着地後にドリフトを挟んで次のレールへ飛び移り、さらにコンボ倍率を狂ったように跳ね上げていくシステム。
この「一瞬でも操作をミスったら、それまで溜めた何万点ものスコアが文字通り大爆発してゼロになる」というヒリヒリした緊張感とゲーム性は、まさに『トニー・ホーク』のコンボシステムへの最大のリクエストであり、リスペクトだと断言できる。
当時は「スケボー」や「インラインスケート」という若者文化の最先端だった乗り物が、2026年のインディーゲームの手によって、あろうことか「日本の特急電車」にすり替えられただけなのだ。
この、どこか懐かしくて、新しくて、そして徹底的におバカなストリートカルチャーの融合。
当時あのあたりのゲームに青春を捧げたおじさんゲーマーはもちろん、未体験の若いゲーマーの心をも「理屈抜きのカッコよさ」でブン殴ってくるポテンシャルが、このゲームには確かにある。
『電車アタック』の乗車チケットを買うべき人、見送るべき人
体験版の時点でこれだけ濃厚な脳汁を味あわせてくれる『電車アタック』だが、あまりにも尖り散らかしたゲーム性ゆえに、人を選ぶ作品であることもまた事実だ。 ここでは、どんな人がこの「暴走特急」に乗るべきか(あるいは見送るべきか)をズバッと整理しておこう。
◯ こんな人にオススメ!(乗車チケット即買い推奨)
- 「理屈抜きのおバカゲー」や「勢いのあるインディーゲーム」に飢えている人
観覧車で海を渡る文字通りのクレイジーさにゲラゲラ笑いながら、ハイクオリティな映像美を楽しみたい人にはこれ以上ないご馳走だ。 - 『ソニック』『JSR』『クレイジータクシー』のあの空気感が大好物な人
2000年前後の、あの「爆音BGM×ハイスピード×ストリートカルチャー」という無敵のフォーマットに胸が熱くなるなら、間違いなく脳の同じ場所が疼くはずである。 - 右スティックを適当に回して、手軽に「俺カッコいい!」を味わいたい人
難しいコマンド入力なしで、誰でも一瞬で空中トリックの達人になれる全肯定の爽快感は、日々のストレスを一撃で吹き飛ばしてくれる。
◯ こんな人には少し物足りないかも?(見送り検討)
- リアルで緻密な「鉄道運行シミュレーター」を求めている人
本作に「出発進行!」や「定時運行」なんて概念は1ミリもない。線路を飛び出して壁を走るのが当たり前なので、マジメな鉄道ゲーム(『電車でGO!』など)を期待すると1秒で脱線する。 - 重厚なストーリーや、じっくり腰を据えたRPG的な体験をしたい人
本作の主食はあくまで「スピード」と「コンボ」だ。
短い時間でドバドバと脳汁を出すタイプのアーケードライクな設計なので、ストーリーの深みをじっくり味わいたい気分のときには向かないかもしれない。
細かなココ良きポイント
1. 世界観やキャラクター設定の深掘り
各ステージで収集可能なアイテムがいくつかあるのだが、そのうちに「フィルム」がある。
これを獲得した後に、各地方に点在する「ファン雑誌本部」にもっていくことでギャラリーを解放することができる。
キャラクターのストーリー以外にも、各地方の特徴や名物、ライバルが使う電車についてもみることができるので、このおバカな世界観をより楽しむためにも収集することをオススメする。

2. 自分だけの“最強の暴走特急”を作れるカスタマイズ要素
もちろん電車のカスタマイズも可能だ。
こちらも各ステージにある「スプレー」「歯車」を獲得することで解放可能だ。
「スプレー」を消費することで、電車のペイントを解放することができる。
これがまたバラエティー豊かで、各地方にいるチームを模したものから、その地方をイメージしたペイントなど、カッコいいものから笑えるものまで揃っている。

「歯車」を消費すると、電車を乗り換えることが可能だ。
各電車にはアビリティがついていて、トリック速度上昇やコンボボーナスなどのプラスになる要素と一緒に、ぶつかった時のペナルティ増加やドリフトゲージの減少などの要素もついてくる。
ステージのルールや、ギミックによって使い分けることにより遊びに幅を広げることができるだろう。

まとめ:日本クールな“電車アタッカー”になる準備はできたか?
『電車アタック(Denshattack!)』は、「電車×スケボー」という狂ったアイデアを、極上のハイスピード感と爽快感で見事に形にした、2026年屈指のハイクオリティおバカアクションゲームだ。
頭を完全に空っぽにして、爆音のストリートミュージックに身を委ね、右スティックをグリグリと回してド派手なコンボをキメる。
その瞬間に脳内に分泌される汁は、間違いなく本物である。
「出落ちのバカゲー」と一言で片付けるには、あまりにも丁寧な操作性と、平成のあの輝かしきストリートゲームたちへのリスペクトに満ちた、愛すべき一作だ。
既存のまったりした鉄道ゲームに退屈している貴方も、かつて『JSR』や『クレイジータクシー』に魂を売ったあの頃のゲーマーも、ぜひこの夏は『電車アタック』で線路をぶっ飛び、日本一の伝説の電車アタッカーを目指してみてはいかがだろうか。



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